カズー 『ニシガミさん家のデス子ちゃん』 (新風舎文庫)

ニシガミさん家のデス子ちゃん (新風舎文庫)

ニシガミさん家のデス子ちゃん (新風舎文庫)

第9回「新風舎文庫大賞」新人賞受賞作.いつぞやの「ふたり。」が全体的にいまいちだったこともあって期待度は限りなく低かったんだけど,存外悪くなかった.
構成としては一冊かけてのイントロダクションといったところで,キャラ紹介や「死神」の説明が大部分.タイトルからなんとなく分かるかも知らんけど,「しにがみのバラッド」や「シゴフミ」の系譜に連なる死神もの(?)をお気楽にした感じ.粗や無駄も多いけど,死神女子中学生デス子はほのぼの素直に可愛かった.
っても「死」や「死神のお仕事」への踏み込みは例に挙げた2冊に比べてかなり甘い.あえて踏み込まないわけではなく,ラノベのフォーマットにあまり考えずに「死」を組み込みました,という印象.物足りなさもけっこうなもの.そのあたりに目を瞑れるかどうかで楽しめるかどうかが分かれそう.
まあひとことでまとめれば「並みの新人賞レベル」といったところなので,そういうのが好きなひとはどうぞ.しかし,あとがき含めて240ページも無い(しかも活字が大きい)文庫本なのに税込み780円てちょっと高くないかい.