竹宮ゆゆこ 『とらドラ7!』 (電撃文庫)

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

天に向けて広げた両手を思いっきり伸ばして反り返ったまま、大河の瞳の煌きは一層キラキラと呟く。いっそ泣き出しそうに、潤んでいるようにさえ。

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停学が解けて学校に戻ってきた大河.世間は冬,クリスマスが近づく.
前半のギャグは相変わらずくどくて苦笑交じりで読んだのだけどいつの間にか引き込まれていた.紆余曲折を経ながらも盛り上がるクリスマスのなか,竜児と大河,実乃梨たちとクラスメイトたちの関係が表面的には静かに,最後には爆発的に変化する.
6 巻感想でも似たこと書いたけど竜児たちは所詮は「ただの子供」*1.分かっていないことさえ分かっていない.エゴを通す発想が無い.潔癖で余裕が無い.ある意味では理想的だけどそれだけに上手く回らない青春像がもどかしく苦しい.
そう考えると独身(30)も単なるギャグではなく,現実を取った大人の自虐と理想を求める子どもへの羨望の対比なのかもね.笑えない.二重の意味で笑えない.
考えなければ動けない.考えすぎれば動けない.そしてこの幕引き.ああままならねぇ,ままならねぇ.

*1:今日読んだ別作品から引用.感想あとで.