世界平和は一家団欒のあとに〈5〉追いかけてマイダーリン (電撃文庫)
- 作者: 橋本和也,さめだ小判
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/07/10
- メディア: 文庫
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ってことで今回は一家の母親・志乃の話.シリーズの特徴であるところのスカしたテキストも,内容のほうは今回わりかし泥臭い.軋人に対しては「母親」,大三郎から見れば「娘」,耕作には「妻」で「恋人」.三世代にとって普段はこれといって意識しない,けど当たり前にあるロールの違いを,そして「本当の実家」の抱える葛藤を加えることで「志乃」の存在を立体的に描くことに成功していると思う.そんななか,ウザいくらいに気張る息子からさらっと見せ場を奪い取る父親は役者が違いすぎる.結末は夫と妻のくだらなくもこっ恥ずかしい,そしていかにもこの話らしい気障ったらしさが素敵.犬でも喰わねぇとはよく言ったものです.つーか父親カッコよすぎだろこのシリーズ.男は父親を乗り越えるもの,なんてぇのは常套句だけどこの調子だとシリーズのラスボスは親父ってことになるのかな.
ところであとがきの最後の行はただの誤植ですよね?