- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (64件) を見る
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (58件) を見る
笑気と狂気と恐気と笑気と狂以下略でブラックユーモアを書いていたころの筒井康隆をカクテルとか聞いたら読まずにいらりょうかということで読んだ.いやー,最高だった.最高に狂っていて最高に楽しかった.船で戦争で狂気,ってことで個人的に連想したのは『虚航船団』.ユーモラスでクドい文章から綴られる軍艦内の活動や軍規はありきたりの狂気から徐々に逸脱.閉じられているがゆえに生まれる妄想,噂,疑心暗鬼がやがてとんでもない方向にぶっ飛んでいく.狂気の中でそれぞれの口から語られる戦争論・民族論も悪趣味の極みで素晴らしい.狂気に紛らわせて言わせているからまだアレだけどけっこう普通に酷いこと書いてるよな,と思ってぞっとしたりもした.上下巻合わせて約 800 ページとボリュームはあるのだけどまったく退屈しなかった.才能あるひとのブラックユーモアとはこういうもんだ.心ゆくまで味わわせていただきました.