六塚光 『Le;0 -灰とリヴァイアサン- 2』 (一迅社文庫)

Le;O-灰とリヴァイアサン- (2) (一迅社文庫 む 1-3)

Le;O-灰とリヴァイアサン- (2) (一迅社文庫 む 1-3)

「……もちろん、ともにあの世に行くのは遠い将来、と願ってますけどね」

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ポールシフトの影響で無数の小さな群島の集まりとなった日本.禁宮島を中心にした連合からの独立を目指してペルセウス同盟を立ち上げた顕九郎は,もうひとつの勢力である協定機構を味方に付けるべく画策する.そんなおり,大蒜島へ流れ着いたのはひとりの転生師とゴスロリファッションをまとったヴァンパイアのコンビだった.どことなく怪しい言動のこの二人,果たして敵なのか味方なのか.
『Le;0 -灰とリヴァイアサン-』の二巻.人間・吸血鬼と海獣の活劇は人間同士のきな臭い争いへスライドしてゆく.血と家をめぐる因果しかり,孤島の決闘しかり,軽妙なテキストで語られる物語は,そこはかとなく古風なエンターテイメントの風味がある.西部劇か時代劇かはたまた忍法帖か,という趣の.姫乃のヒロイン像や,ふたりの男と女の関係の描き方も,どっかしら古風な感じがあった.時には母のように包み込み,時には女らしく後ろから支え,時には自ら表に立って戦うことも厭わない.ふたりの信頼関係は良い意味でライトノベルらしくなく,すごく安心して見ていられる.まあ今回の極めつけは「ゴシックロリータと忍術とヴァンピリックを組み合わせたまったく新しい格闘術」のゴスロリ忍法であることは言うまでもないですが.一巻に続きすげー楽しかったです.