坊木椎哉 『この世で最後のデートを君と』 (集英社)

この世で最後のデートをきみと (JUMP jBOOKS)

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「昔、僕が可愛がっていた猫を死なせてしまった時に母から教わったのです。死体や骨を埋めるのは悲しみも一緒に土の中に埋めてしまうため。墓を作るのは、死んでしまった者を忘れないようにするため。だから僕は、彼女を埋めなければいけないのです」

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女子高生の夜見川摩耶が売るものは「恋人との最後の時間」.死を望む客に,最後の二人きりの時間と,求める形での死を.ある日,自殺に巻き込まれそうになった摩耶は,ひとりの青年に命を助けられる.
第1回ジャンプホラー小説大賞受賞後第1作.傷を抱えた男女が,死にたい者に死を与える店に集まり,死を売る,という.どうも描き方が表面的で薄い.サイコパスな猟奇殺人鬼が集うホラーではあるんだけど,書かれている以上の背景が彼らから感じ取れないというか.雰囲気については好みもあるんだろうけど,個人的にはキャラクターもストーリーもとことん合わなかった.