『テイルズ・オブ・シンフォニア』 ASIN:B00009KAPJ

クリア.所要時間は約45時間.以前書いたのと重なるところも多くなると思うけど感想をば.
まず,ストーリーはいまひとつだった.一部で「ストーリーが重い」といわれてるようだけど,個人的には非常に王道な展開だと思った.序盤では盛り上がりの兆候があって期待したものの,中盤以降はあちこちに話がとんでわかりづらくなるうえ,どうにもちぐはぐ.一例を挙げると,(反転)化物と化した祖母を主人公に殺されて恨みを持っていたはずのショコラが,再会したときにはあっさりと許したこと(反転終わり)や,オープニングで人が一人死んでるのに主人公やクラスメートたちが平然としていることなど.この辺のエピソードは掘り下げればもっと面白くなりそうだったのに.レーティングを全年齢対象にするためか,はたまた単に容量不足だったのかなどと思わず勘繰りたくなってしまう.惜しい.同様の理由でキャラクターもいまいち掘り下げ不足.感情移入できなかった.これはポリゴンのキャラの動きが良くなかったせいもある.
システムは,とにかくRPG初心者に楽しんでもらおうとする意思の感じられる,親切すぎるほど親切なものだった.個人的にはちょっとやりすぎに感じられたほど.とはいえ,システム面が不出来なゲームに比べれば数百倍マシ.ここは十分に評価できると思う.
最後に,このゲーム最大の魅力である(と私は思う)戦闘パートについて.今までのシリーズと異なり,フィールドが3次元的になったために戦闘に奥深さがあった.『TOD2』のような制約が少ないため,それほど考えずに単純にボタンを押すだけでも,難易度がノーマルならそれほど苦労せずに勝ち抜いていけるバランスはすごく気持ちよく楽しめた.このあたりは初心者向けのつくりがいいほうに作用していると思った.
総括.なんやかんや書いたけど,最後まで十分楽しめました.RPGが好きな人なら(当然,初心者も含めて)買って後悔することはないと思います.とはいえ,戦闘がなかったらこのゲームの魅力は半減していたような気がします.次回作が出るとしたら,是非ストーリーにも力を入れていただきたいと思いました.