コンプリート．プレイ時間は45時間．長ぇー．
内容については何書いてもネタバレになりそうな気がする．最新作ではない（オリジナルの発売は2年前）だから構わないかもしれないがそこを避けつつ感想．
SFミステリとしてよくできてる．それは間違いない．間違いないんだけど，面白かったかといわれると，微妙．
最後まで各キャラクター，というより文章のノリに入りきれなかったこと．ハードSFだと思っていたら終盤で「あれあれ？」になってしまったこと．そのふたつが原因．どちらかというと全編通してギャルゲエッセンスの使い方が中途半端だったことが微妙に感じてしまった主因だと思う．硬派を貫くか，さもなきゃ萌えに徹してくれればよかったものを．
とりあえず事前にルーディ・ラッカーを読んでいたおかげでごたごたした概念の理解は早かった．他のSFのエッセンスもいろいろ使われているようだった（私には見抜けなかったけど）．
ただこれだけは書いておきたい．作中，自分のクローンを自分の胎内で育て出産した女子高生が出てくるのだけど，この描写にはかなり疑問．エグすぎだろ（文章だけだけど）．その処女懐胎にも作中でたいした意味は持たされておらず，だったら人工子宮でいいじゃ無ぇかよ．単にライターが変わったことをやりたかったのか，それとも何か元ネタがあるのか（後者だったらごめんなさい）．
というわけで，名作と評されることが多い本作だけど，私はダメでした．けっこう人を選ぶ作品なのかもしれない．月末に廉価版（ASIN:B0002YC55C）が出るので興味ある方はどうぞ．
