西尾維新 『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』 (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

去年の新人研修のとき,ラノベを読むことが趣味で,特に西尾維新のファンです! と公言する女性に会った.ラノベをそれも西尾維新を好んで読む女性なんつーもんはフィクションの中にしか存在しないかさもなきゃ電子網の向こうのあのひとか,そんな風に考えてた私にはそれこそ大山鳴動のカルチャーショックだったわけだ.これは千載一遇のチャンスかもしれないとばかりフレンドリーに「やあ(^_^)/僕も西尾維新好きなんですよただ戯言シリーズは一冊も読んだことないんですけどねははは」と話しかけたらなんか完全にヒかれ,けっきょく何事もない,どころかすごく気まずい空気のなか研修を受けたという苦い思い出があってな.いや思い出にするには私はもう大人になり過ぎてた,ただ苦い.
まあ戯言だが.
以上,本の内容とはまったく関係ない自分語りはこれくらいにして.
アリバイとか密室とか謎解きとかがさも日常の一部のように使われる,ミステリ然としたミステリが私はあまり好きではない(あまり読んでいない),っつうのもあるんだろうけど,細かい証拠集めも全員集めての謎明かしも定型的に見えていまひとつ楽しめなかった.ラストのどんでん返しも予定調和っぽく.あくまで私のイメージ&印象でね.
反面,深く考えているのかあまり考えてないのかよくわからない設定,人物,台詞まわしには強く惹かれるものがあった.誰かも言っていたけど,優秀なキャラクター小説として読むのが私には合っていると思った.
そういや以前ミステリ板の某スレで見た書き込み「哀川さんは cv. 山口眞弓」のおかげか,哀川さんがどうしてもフォルテさんにしか見えなかった.どう責任とってくれる.