日日日 『アンダカの怪造学 VI 飛べない蝶々の鳥かご迷路』 (角川スニーカー文庫)

久々に素直に楽しめた「アンダカ」.今回のメインイベント・魔王杯において,伊依と敵役の涼女が同様の制約の中でバトルをしていたのが良かったのだと思う.過去2冊では怪造生物バトルのインフレ化が進みすぎてついていけなくなりかけてたからね.知略を尽くすというには粗も多いドタバタ劇だったけど,話運びの強引さは多少は薄れて,ストーリーへのバトルの組み込みがスマートになっていた……かな.
んでもってストーリーのインフレは相変わらず.大風呂敷もいいけど,どうまとめるのか期待と不安が同じくらい大きいのよな.特に今回は香美と涼女の絡んだエピソードをもっとじっくり読みたかった.何でも出来る少女と何も出来ない少女の友情.突き詰めたらそれだけで面白い話が出来そうじゃない.伏線をばんばん大放出しすぎてひとつひとつが軽く見えるのがどうも気になる.勿体無いっつーかなんつーか.