日日日 『アンダカの怪造学X 空井伊依の伝説』 (スニーカー文庫)

ちょっとずつ、喪われたおおきなものを埋めていこう。
自分たちは生きているのだから。

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虚界アンダカ現界カナイの最終戦争.人間と怪造生物が仲良く暮らす未来を作りたい.伊依のずっと抱き続けた夢が伝説の礎となる.
シリーズ完結の第十巻.最終巻のための最終巻というお手本のような雰囲気の前半から,虚界アンダカの真実が一挙に明かされる中盤,そして後半の大団円へ.中盤の魔王と魔姫,総長たちの因縁,ふたつの世界の関係のあたりはもうちょっと膨らませて欲しかった気もした.性急な感じは否めないけど,しかし完結編として申し分なくまとめ上げている一冊だとも思う.ベタなエピローグがこのシリーズにはぴったり合うし,あとがきのやり切った感も清々しい.終わりよければ……と言っちゃっていいものか迷うけど,なんだかんだ最後まで楽しませていただきました.