深見真 『疾走する思春期のパラベラム デイドリーム』 (ファミ通文庫)

疾走する思春期のパラベラム デイドリーム (ファミ通文庫)

疾走する思春期のパラベラム デイドリーム (ファミ通文庫)

勢力が揃い踏み.ヒロイン・志甫は兄の仇を討ち,主人公・一兎は新たな出会いと一歩を踏み出す.ストーリー的にはターニングポイントとなる,かなり重要な巻にあたるはずなのに,うーん,いまひとつ盛り上がらない.上記要素にしろ,バトルにしろ恋愛にしろ,常に一定のトーンで,悪い意味で淡々としていた.掘り下げればもっと面白くなりそうな印象は各要素にあるだけに,それぞれを,もしくはどれかひとつに絞ってでももっとじっくり描いてくれていれば…….一冊のなかに詰め込みすぎたかなぁ.あまりに勿体無い.オトコノコ的ガジェット・世界観のカッコ良さとごちゃごちゃした男女の性関係が当然のものとして扱われる(むしろ本筋よりここらの描写のほうが生き生きしてたような)のは相変わらずの深見真で,もはや安心材料.次以降への伏線は十分に溜まったはずなので次に期待,ということで.