深見真 『疾走する思春期のパラベラム みんな大好きな戦争』 (ファミ通文庫)

──この世界は、俺たちが大人になるまで大丈夫なんでしょうか?

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世界の運命を決める〈選択戦争〉の幕が切って落とされた.乾燥者デシケーターたちによる人類の殲滅がいよいよ始まる.先制攻撃を受けた一兎たち映画部の面々は,それぞれの理想のもと,戦いに赴く.
生き残るのは人類か,乾燥者デシケーターか.シリーズの終わりの始まり前編.名前のある登場人物たちが,「まるで、虫でも叩くみたいに」派手に殺し殺されていく.「世界」を相手にしながら,スケール感があまり出ていないのだけれど,この作品の場合はそれが良し悪しかな.タイトルにあるような,「思春期」を描いた話だとするとこのくらいの狭い視点があっているような気がするし,人類の話だと思うと言葉が足りなすぎるし.まあサブタイの「みんな大好きな戦争」が中身をものすごく率直に物語っているので,外野からあれこれ付け加えようというのは野暮かもしれない.ともあれ,次回最終巻を楽しみにしています.