- 作者: 熊谷雅人,えれっと
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/08/24
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 37回
- この商品を含むブログ (38件) を見る
その一方,悪魔vs.天使の戦いは浮き気味だったかなあ.緊張感がいまいち感じられなかった.「過去」を見せ付ける手法は良かったのだけど,切迫感は1巻の比ではなかったのもなあ.唐突に明かされるあのひとの正体に,空気化するあのひとなど,色んなものが駆け足気味と,やや微妙な面が目立った.
シリーズ全体を通して.ネクラ少女の成長がシリーズの核のひとつにあったはずだろうに,成長しネクラから脱却するに従ってだんだん物語自体から個性が抜けていくという自家中毒に陥ってたのが惜しかったかな,と.安定飛行はしていたんだけど,1巻のネクラ少女のインパクトが個人的に強烈だった分,期待が強かった分だけその後は物足りなさが残った.といっても,ちょっとした毒テキストの挟み方など,本筋以外にもセンスを感じる部分は多々あったし,楽しませてもらったのもまた事実.次回作に期待してます.