虚淵玄 『Fate/Zero Vol.4 「煉獄の炎」』 （TYPE-MOON）

Fate/Zero Vol,4　-煉獄の炎-

『Fate/stay night』のプロローグ，10 年前にあたる物語だけあって当然のように悲惨な結末が来るものと覚悟はしていたのだけど，そしてそのままの結果が表れたのにそれを良い方向に裏切ってくれる気持ちのいい読後感はどうしたことかと．ただ打ちのめすだけではなく，それぞれに救いの道を示しつつ「stay night」に繋げるテクニックはすげぇのひとこと．読むこちらとしても救われた気分．本編の補完と掘り下げ ── 「王」としてのアーチャー，切嗣を見る綺礼の想い，切嗣と士郎が出会った日のこと，そして士郎を残して死んだ切嗣が何を想っていたのか ── はもちろん，ウェイバーとライダーなど，魅力的なキャラクターの姿もすべてが生き生きと映えていた．
ってことで面白かった．最高に幸せな出会いを果たした二次展開に乾杯．