一柳凪 『リバース・ブラッド 2』 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 2 (ガガガ文庫)

リバース・ブラッド 2 (ガガガ文庫)

「魔術的小説」第二弾.騙し絵に彩られた家で起こる奇妙な出来事.
窓がなく,内と外一面に騙し絵が施された建物.それぞれにエキセントリックな面を持つ登場人物たち.次々と起こる萌えアクシデント.「作り物」であることを隠そうともしない,というかむしろ誇示している舞台設定は読者に対する挑発かとも思えるのだけど,それらがスムースに繋がって終わってみるときちん体裁が整っているという.過去二作から器用さに磨きがかかり,私にとっては「上手く言えないけど面白い」作家の側面が更に強くなったですわ.「魔術的」ってのはわりとしっくりくる謳い文句だと思った.いやしかし我ながらひどい感想だこと.あとがきによると京大 SF 研が作者を推してるみたいだし,あとのことはエロいひとたちにお任せするであります.