赤井紅介 『パーフェクト・ブラッド 6 偽りの世界と虚飾の神』 (スーパーダッシュ文庫)

ふいに透華が立ち止まる。表情は見えない。
「あなたが倒れそうになったら、わたしが支える。あなたが立ち止まったら、どこまでも手を引いて歩く。あなたが臆病風に吹かれたら、わたしが大声で叱ってあげる。あなたの瞳が光を失ったら、わたしが言葉ですべてを補ってあげる」
透華が立ち止まって、ギロリと僕を振り返った。思わず、たじろぐ。
「──志半ばで、あなたが死んだら、あなたの分まで生きてあげるから」

パーフェクト・ブラッド〈6〉偽りの世界と虚飾の神 (集英社スーパーダッシュ文庫) - はてなキーワード

結社の本拠地をついに発見したエノク社の魔法士たちは決死の戦いとばかりに乗り込むが,そこに待っていたものは.
世界を巻き込んだバカップル異能バトルシリーズ第六弾.はいはい今回もラブいラブい.五巻の「告白」で完全に吹っ切れたのか,ただでさえヒート気味だったラブはさらに熱を帯びてもはやブチ切れ気味.ドストレートにそのまま大気圏外へ突っ切ってゆく…….奇を衒わずに描かれる初々しいバカップル模様は乙女チックでもありオトコノコチックでもあり,そんなユルいラブコメが好きならニヨけることは必定.二人(+α)だけの世界が濃厚になっていくにつれてバトルやら学園風景やらとのかみ合わせが悪くなっていく(気がする)のが欠点といえば欠点だけど,そちらはそちらですでに別方向へ吹っ切れているような気もするので,この作者のセンスが大好きな私は勝ち組だと思おう.だって「世界だ……。」とかさ,すんげーカッコよくねーですか? 楽しかった.