清野静 『時載りリンネ! 5 明日のスケッチ』 (スニーカー文庫)

「ありがとう! 鷹見さん。とっても素敵な贈り物よ。きっと、この絵の中の女の子もよろこんでると思うわ。だって、こんなにわくわくする出来事が待ってるってわかったら、明日がくるのが……未来がくるのがとっても待ち遠しくなるもの!」

時載りリンネ! 5 明日のスケッチ (角川スニーカー文庫) - はてなキーワード

"街の住人"の鷹見親子との出会い,リンネの正式な"時砕き"の襲名,久高の祖父の帰国.イベント盛りだくさんの冬休み.「リンネはいつでも元気です」.
いくつかの出来事が並行して進むのだけど,そのためかいつになく詰め込み気味,ごちゃごちゃした印象が強かった.ストーリーテラーとしてはこれからかなあと思うものの,リンネたち登場人物の姿はこれでもかとばかりに瑞々しく,すんげー元気になる.例えば,まるで通信簿を開けるときのようにおそるおそる籤を開くだとか,勢いよくお出かけする様子を「元気よく」,「軽やか」で,「燦然と輝いて」だとか.ひとりの女の子を表現するのにこれだけの言葉を尽くされたらそりゃ「わくわく顔」が目に浮かぶのも仕方ない.でもってこれ久高が書いている冒険譚なんだよな,と想像すればさらにニヤニヤできることも必定.良かったです.