原田源五郎 『今日もオカリナを吹く予定はない』 (ガガガ文庫)

今日もオカリナを吹く予定はない (ガガガ文庫)

今日もオカリナを吹く予定はない (ガガガ文庫)

「なあ井波、死角の見た目ってどんなのだ?」
前を歩く井波に尋ねると、こちらを振り向くことなく答えた。
「そうだなあ、こう……ちぐはぐっていうか、何であれがああなってこうなってるのっていう感じ、みたいな」

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ひとの寿命を吸い取る謎の敵「死角」は「見る目のある人」にしかその姿を見ることができない.「見る目のある」女子高生井波によって結成されたオカルト大好き部略してオカリナ部は死角をフルボッコにするべく日々精進するのであった.
第 3 回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作.表紙にゃ異能とあるけどこれ部活ものだよな.SOS団と木工ボンド部を足して二で割ったような雰囲気の.細かなギャグを刻んで繋げた,最近よくみるタイプのライトノベルだと思うのだけど,ベースのまったり日常と,話が動くバトルやら恋愛模様やらとの局面のつなぎがあんまスムースでないのが気になった.死角を倒す理由はちゃんとあるのだけど,いきなり熱血されてもなあ,とか別に無理して戦わなくてもいんじゃね? と思ってしまう.色恋にしても,やりとりそのものは嫌いじゃないんだけどちと唐突.パーツはそんな悪くないだけにそのぎこちない完成形を見てむむむむ,という感じでした.