- 作者: 長嶋有
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 文庫
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「夫婦のようになった、と感じるとき、その二人の間には確かに文化が芽生えているのです。食卓でそれとって、といっただけで『それ』がソースか醤油か分かる。たてつけの悪い扉を開けるときの力の入れ加減を二人だけが会得している。そういう些細なものの集合はすべて文化で、外側の人には得られないものなのです」
パラレル (文春文庫) - はてなキーワード
(中略)
「籍を入れずに同棲することを選ぶカップルもいます。恋人のままでいいじゃないか、と。だけれども、これは断言してもよいですが、文化のない場所に人間は長くいられません」津田は言葉を切った。
元ゲームクリエイターの僕を中心に,友人で顔面至上主義の津田や,半年前に離婚した元妻との間に起こったことをとつとつ描く.切れそうで,そう簡単には切れてくれないのが大人の縁.その綱渡り感に,読んでる最中ずっと胃が重かった.にしても「結婚とは文化であります」かぁ.引用した部分も言葉としては理解しているつもりではいるけど,たぶん皮膚感覚的には分かっていないんだろうなあ自分.