樺山三英 『ハムレット・シンドローム』 (ガガガ文庫)

ハムレット・シンドローム (ガガガ文庫)

ハムレット・シンドローム (ガガガ文庫)

いちばんの気がかりはそう、ぼくは誰かということだった。生きる? 死ぬ? そんなこともうどうでもいいんだ。知りたいのはそう、ぼくが誰であり、誰であることを選べばよかったのか……そのことだけだ。

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ハムレット」を演じる舞台の最中に事故に遭った彼は,自分がハムレットであると主張し続ける.ハムレットの宮殿を模した城で彼は正気を失っていたのか,それともまだ演技を続けているのか.
久生十蘭の「刺客」,「ハムレット」を翻案した作品.ハムレットを演じるコマツアリマサは本当に演じているだけなのか,ところでコマツアリマサって誰よ,あと"演じる"ってどういう意味? という問題を,幻想的な雰囲気たっぷりに問いかける.劇と現実,演技と本気の違いって何なんだろうね,という.ほんと,何なんだろうねぇ.ぼんやりとした余韻が残った.面白かったです.ってか跳訳ではないのかなこれ.ややこしいな.