- 作者: 穂史賀雅也,シコルスキー
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/12/22
- メディア: 文庫
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ミクも『夏休み教』の一人か、と勇魚はがっくりきた。
オウガにズームUP! 4 (MF文庫J ほ 1-7) - はてなキーワード
夏休み教。『夏休みには素敵なことがある』と信じている宗教のことである。
無論、勇魚は夏休みに対する信仰は持ち合わせていなかった。
オウガ熱とやらで寝込んだオウガの娘ククルの話,狭い路地裏で双子の忍者を拾った話,海辺の話,ほか五つのエピソードを収めたシリーズ最終巻.鬼やらサムライやらがいるちょっと変わった夏休みを,慌てず騒がず,独特の静かな雰囲気で描いている.この空気はなんだろう,あれこれ説明しすぎないのがいいのかな? 日常はさらっと流す感じなのだけど,女の子と接したり会話したり,肝のシーンはすごく細やか.メリハリのあるテキストは読んでいて気持ちいい.特に二話『だってほら夏休みだから』が白眉だった.しかしこれで終わってしまうのか…….駆け足気味の完結はものすごく勿体ない.力のある作家さんであることは間違いない思うので,時間をかけてじっくり書ける環境さえあればなー,なんて.ともあれ,今後の更なる活躍に期待しています.