いやはや、ようこそ、二十一世紀へ、だ。
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21 世紀初頭．恵与経済主義者のマンフレッド・マックスに亡命支援を要請してきたのは，旧 KGB によって電脳空間に神経構造をアップロードされたロブスターの AI だった．マンフレッドは無重力下のナノマシーン製造工場の制御要員としてその AI との契約を提案する．
第一部「離昇点」，第二部「変曲点」，第三部「特異点」．21 世紀に迎えることになる人類の進化をおおよそ 10 年刻みで記述していく．これがシンギュラリティか……．長い長いと話には事前に聞いていて，読んでみたら実際に長いうえに新語・造語がわんさか出てきたものの，簡潔な文章で想像していたよりずっと読みやすかった．世界が加速的に変容していく中心にありながら，マンフレッド，パメラ，アンバー，サーハンといった血（？ DNA？ データ？）の繋がりがなんだかんだで保たれ続けるのもその一因なのかな．変にウェットな部分は残り続ける，あえて残したのか，イヤでも残ってしまうものなのか．宗教とか死生観とかはえらくからっとした印象だったので気になったのだけどよく分からないのだった．それにしても，始まったばかりの 2010 年代は楽しくもものすごく疲れる時代になりそうだな！
