桜こう 『僕がなめたいのは、君っ!5』 (ガガガ文庫)

僕がなめたいのは、君っ!5 (ガガガ文庫)

僕がなめたいのは、君っ!5 (ガガガ文庫)

亜里沙さん! なめさせて!」
「……」
室内でひとり、ピアノを弾いてた鴻野亜里沙さんが凍りつく。
しまった。いくらなんでも突然、なめさせては非常識。まずは挨拶だ。
亜里沙さん、おはよう! なめさせて!」

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なめてなめられることで開花する「花視」の能力と蜜鬼をめぐる物語もいよいよクライマックス.蜜鬼は洋たち三人にそっくりな姿をした刺客を送り込んできた.ニセ洋が提案してきた勝負の方法は,なめマラソン,名づけて「走れ! なめろす!!」だった.ここまで来たら遠慮無用,なめてなめてなめまくるのだ!
「草食系ラブコメディ♥さわやかに完結。」という帯に踊る嘘八百のコピーが印象的なシリーズ最終巻.なめるだけが心を通わせる方法じゃない,とか,女の子の膝頭をなめていたら太ももから「汗がつつーっと垂れ落ち」てきたってお前それぜったい汗じゃないだろとか,見るべきポイントがないではない.んだけど,お話的には大きな盛り上がりもなく,不完全燃焼のまま切られた感がずっと強い.似たような作品はいくつもあるなか,いちばん痛かったのは女の子たちのキャラクターが弱かったことかなぁ.やっていることはバカ小説なんだけど,おかげでインパクトはかなり弱まってしまっていた気がする.