瀬尾つかさ 『くいなパスファインダー』 (一迅社文庫)

くいなパスファインダー (一迅社文庫)

くいなパスファインダー (一迅社文庫)

あるいは、そう。
ゲートワールドというこの無慈悲な世界そのものに対する、反抗の合図だったのかもしれない。

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《門》と《欠片》からなるゲートワールドへと分断され,文明の崩壊した世界.北大路くいなを中心にまとまった探索者パスファインダーの一行は,カオスな世界にもめげず挫けず,冒険を続ける.
『円環のパラダイム』と世界観を同じくする冒険物語.「ゆるくて」「RPG っぽい冒険譚」をコンセプトにしたということで,シビアだった「円環〜」と比べるとなるほど導入部からして前向き,かつオーソドックスにまとまっている.さすが手堅い.そんななか,ヒロインであるくいなの描き方が妙に印象に残った.ストーリーと並行しながら,無口なくいなが実はどれだけかわいいか,周囲の人間たちがエピソードを披露しあう,という.なんつったらいいのか,上手く言葉で出ないのだけど変な読後感だったのでした.