- 作者: 紅玉いづき,磯野宏夫
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: 文庫
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「呪ってやる。呪ってやる呪ってやる呪ってやる! 魂のすべてをもって呪ってやる! この毒吐きの名にかけて!! 星よ落ちろ、光よ消えろ、命よ絶えろ!! 占い狂いのこの国は、業火に焼かれて生きた地獄に成り果てればいい!!」
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声を奪われる最後の一瞬まで、エルザが口にしたのは、絶望と憎悪。
占術により政を執る占の国・ヴィオン.ここに全知の天の運命により打ち捨てられ,星と神の巡りによりふたたび呼び戻された姫がいた.毒と呪いの言葉を吐くことで生き続けたエルザは,その声を奪われ,隣国の王子のもとに嫁がされる.
毒吐姫と異形の王子のおとぎ話.なぜ生きるのか,毒だけでなく血まで吐くような言葉で描かれる,『ミミズクと夜の王』の世界の別のお話.力強いテキストと,一筋縄ではいかない歯ごたえあるストーリーは素晴らしいのひとこと.それだけに,コンパクトにまとまり過ぎているのがあまりにもったいなかった.あと 200〜300 ページくらいのボリュームで読みたかったな,とわがままを承知で言ってみる.