シャルル・ペロー作 伊豆平成著 『長ぐつをはいた猫』 (角川つばさ文庫)

長ぐつをはいた猫 (角川つばさ文庫)

長ぐつをはいた猫 (角川つばさ文庫)

「はい。これがいちばん大事でしてね」
フィローは片足を上げると、人間で言えばすねにあたるところを前足でポンとたたいて言いました。
「わたしに長ぐつをひとそろい買ってください。ご主人が幸せになるには、それがどうしても必要なのです」

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死んだ粉ひきの遺産を受け継ぐことになった三兄弟.長男は水車小屋,次男はロバ,三男のジャンの取り分はオス猫フィロー.落ち込むジャンに,なんとフィローが話しかけてきたからびっくり.「わたしがご主人を幸せにしてみせます」.
皆さんご存知の「長ぐつをはいた猫」を脚色した一冊.作者は「ケロロ軍曹」や「らき☆すた」のノベライズを書いているひとらしい.あらすじはシャルル・ペローのものと基本的にいっしょ.なのだけど,猫に「フィロー」という名前をつけたり,お姫様を登場させたり,非常に親しみやすい物語になっている印象.テキストも良い意味で素直で,カバーには「小学中級から」とあるけど大人でもじゅうぶん読める.改めて読むとご都合主義はなはだしい話だよなーとか,猫のフィローがキュゥべえの声で脳内再生されるとか,著者が悪いわけじゃないしな.