- 作者: 伊東ちはや,6U☆
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 文庫
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「姫ノ花、お前にとって、俺って何なんだ?」
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思わず聞いた風貴に、
「お兄ちゃんだよ。最高、最強、最愛の……! そんでもって……」
姫ノ花はハキハキと答えると、笑顔で一言。
「一番食べたい至宝の肉! オンリーワンのナンバーワン!」
「……」
全然嬉しくない。
いつもの通学路.風貴と姫ノ花(ゾンビ)が拾ったのは,姫ノ花を盗撮した一枚の写真だった.学校では机の中から怪文書が出てくる.どうやら,姫ノ花をストーキングしている輩がいるらしい.
妹がゾンビになってしまったシリーズ第三弾.今回も面白かった.話し言葉のセンスはやはり一歩も二歩も抜きん出ている,というか既刊よりさらにパワーアップしている印象.緩急の効いたストーリーにぴったり,独特のテンポがあって,読んでいくうちに癖になる.そのストーリーの方では,妹の「他人に関心がない」という描写を,短いながら鋭く書いているのが非常に好印象.少しゾクッとした.姫ノ花というキャラクターにウザさと可愛さをプラスしていたと思う.
ということで良かったです.これで妹組を全部読んだことになりますが,どの作品も企画やタイトルのイロモノ度合いから連想できるものより,ずっとしっかり練られていたと思います.