明月千里 『眠らない魔王とクロノのセカイ』 (GA文庫)

眠らない魔王とクロノのセカイ (GA文庫)

眠らない魔王とクロノのセカイ (GA文庫)

「神木凪は正義を成す血筋だと言ったな? ならば、言わせてもらおう。お前がこいつを滅ぼすというのなら──俺は世界の敵たる魔王を救いし、正義(あく)となる!」

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英雄の忘れ形見である高校生の神木凪夜は,“常夜の魔王”を名乗る少女,禍刻クロノと出会う.夜とクロノは,『神隠し』事件を捜査していくうちに,セカイの争いの渦中に巻き込まれてゆく.
月見月理解の探偵殺人』シリーズ(感想一覧)でデビューした作者の二作目.異能ものではあるのだけど,予めいろいろルールを設定したうえで話を組み立てているところは「探偵殺人ゲーム」をテーマにした前作と同様かな.ただ,ゲーム小説だった前作と違い,セカイのルールを図やマニュアルで補足できず,すべて言葉で書かなければいけないのが(読者にとっても作者にとっても)きつかったのかもと思った.『世界(ワールド)』,『世界使い(ルーラー)』,《聖罰の規約(コード・ブレイク)》,『グランドクロス』,〈終熄世界(ワールドブレイク)〉,《世界和平教会(アライエンス)》,《正義派(アークブレイズ)》という固有名詞がだーっと出てくる前半は読むのが正直かったるかった.ちゃんと覚えなければいかんと気負って読んだのがいけなかったのかも.根が真面目なんです.後半のヒーロー展開は良かったので,続きでどう展開してくれるか,かな.二巻を帰りに買ってきたのでそのうち読むことにします.