冬木冬樹 『かんなぎ家へようこそ!』 (GA文庫)

かんなぎ家へようこそ! (GA文庫)

かんなぎ家へようこそ! (GA文庫)

かくかくしかじかで三姉妹と同居することになった僕の現状はありがちすぎて創作者の誰もが『いや、もはやギャグでしかつかえねーわその設定』と敬遠するものではあるが、しかしなってしまったものはしょうがない、事実は事実として現実を受け入れたうえで冗談でも夢オチでもないことを約束して今一度宣言しよう。僕は三姉妹と同居している。

かんなぎ家へようこそ! (GA文庫) | 冬木 冬樹, すまき 俊悟 |本 | 通販 | Amazon

ひとの幸せを願わずにはいられない座敷童子,巫遍(かんなぎあまね)は,800歳の長女,72歳の次女,11歳の三女と4DKで暮らしている.遍は高校で見つけた孤独系不幸少女,帯刀帯を家族に迎えて,幸せにしようとする.
第2回GA文庫大賞奨励賞受賞作.座敷童子の長男,八百歳の鬼である長女,ちびっこい犬神の次女,そして唯一の人間である三女が幸せを求め考える擬似家族もの.やりたいことはすごく分かるしテーマに惹かれるものもあるのだけど,遍の露悪的な一人称の語りが癇に障って仕方ないのよな.「家族もの」である必然性がひとつしかないのも,物語として弱く,興味よりイライラが勝ってしまう.クラスメイトの手加減のない描き方とか,そこが良いというひともいるんだろうなーと思いながら,私にはどうも好きになれなかった.