2WEEKS 人形使いのペトルーシュカ (星海社FICTIONS)
- 作者: 野中美里,えいひ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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もしかしたら、人を生き返らせることは、人を殺すことと行為の重さが似ているのかもしれない。誰かが生き返れば、生きている人間になにかしらのしわ寄せがいってしまう。
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第3回星海社FICTIONS新人賞受賞作『2WEEKS イカレタ愛』(感想)の続篇.一巻は正直微妙だなーという記憶しかないのだけど,今回はとても面白かった,そしてすげぇ怖かった.1908年のツングースカ大爆発は宇宙人の船の墜落が引き起こしたもので,ロシア革命やナチの台頭のきっかけだったんだよ! ΩΩ Ω<な,なんだってー! から始まる導入も面白いのだけど,バラバラにホルマリン漬けされた子どもを生き返らすよう脅迫してくる母親が怖すぎる.いまいち行動原理が見えない妙生(宇宙人)といいこの母親といい,キャラクターの描写については満点であろう.こういったキャラクターや,オカルトのうんちくや緊迫したシーンは非常によく書けているのに,普通の会話やアクションシーンになるととたんにテンポが悪くなるのが不思議.逆ならよくあると思うのだけど.あと死体描写はもっとヌルヌルグチャグチャしていると更に良かったかもしれない.ともあれ,最初に書いたように一巻からぐんと面白くなってるのは間違いないし,期待して見ていきたいと思います.