宮沢龍生(GoRA) 『K SIDE:BLACK & WHITE』 (講談社BOX)

K SIDE:BLACK&WHITE (講談社BOX)

K SIDE:BLACK&WHITE (講談社BOX)

彼女が最初に見たのは真っ白に染まっていく広くて高い空だった。
ふつりと巨大な剣が天から落下した時、世界から音と色が消えて、彼女は宙を舞った。格別、辛くも、哀しくもなかった。ただ意識が遠のいていく際、自分の周りを包むキラキラとした白い光をキレイだなあ、と思って眺めていた。

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同名アニメ『K』のノベライズ第三弾.「SIDE:BLUE」「SIDE:RED」とはやや趣が異なり,伊佐那社,夜刀神狗朗,ネコの三人の過去のエピソードをそれぞれ一話ずつ描く,(ライトノベル的な意味での)短篇集となっている.原作アニメ中の固有名詞や出来事が何の説明もなく話題にあがったりするので,原作を知らない私のような者には少し厳しいかなー,というのも既刊とはちょっと違うところ.まあ,個々の短篇は単独で読んでもそう悪いものでもない.多重の仕掛けにドキッとさせられる「ワガハイはネコである!」が良かったかな.