上遠野浩平 『戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers』 (講談社)

戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers

戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers

「……嘘、だな」
どこか遠くから不意に声が聞こえたと思ったら、それは足下にへたり込んでいるスプーキーEの声だった。
「あんた、嘘をついたな――あんたが言っていたことは間違いだ」
「へえ、なにが違うのかしら」
「この世に完全な役立たずなものはないって――それは嘘だ。この世にあるものは、全部――どいつもこいつも糞ったれの――屑ばかりだ……」

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世界を裏から支配する統和機構の戦闘用合成人間と,世界を根本から変える能力を持つ存在が恋に落ちる.しばらく読んでいないのでなんだけど,ブギーポップシリーズとゆるやかにつながってるのかな.“「こういうものを描くために作家をやっているんだろう」――上遠野浩平”という,まるで相田みつをみたいな帯にある通り,描きたいものを描きたいように描いたコッテコテの上遠野浩平といった感じ.楽しい.自分の世界を自信持って描いてるよなー.「戦車のような彼女たち」というタイトルがまったく比喩になっていないのがさすがでした.