演奏しない軽音部と4枚のCD (ハヤカワ文庫 JA タ 13-1)
- 作者: 高木敦史
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/03/20
- メディア: 文庫
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「塔山が使った〈メタル・マシーン・ミュージック〉ってアルバム。国内盤では〈無限大の幻覚〉って邦題が冠されているらしいんだけど」
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それからわたしの目を見つめ、
「あんたの見てるのも、きっと幻覚だよ?」
高校一年生の楡未來は,亡き叔母が遺した「4枚同時再生」が必要なCDの謎を解くため,軽音部の部室を訪れる.そこにいたのは,演奏しない軽音部員の塔山雪文だった.
音楽と学校をめぐる全四篇の謎(+BONUS DISC).ライトノベル出身の作家だし,『アニソンの神様』(感想)の青春ミステリ版みたいなものかなと思いつつ,各章のタイトルになっている「ザイリーカ」,「コンタルコス」,「無限大の幻覚」,「ハートに火をつけて」,「ザ・インフォメーション」というチョイスが,その方面でどのような塩梅なのかよくわからない体たらくである.ドライともシニカルとも違う独特のとぼけた文体で,キュンキュンする読みやすい青春ミステリ.広島出身の広能先生にもキュンキュンした.楽しゅうございました.