ツカサ 『銃皇無尽のファフニールV ミドガルズ・カーニバル』 (講談社ラノベ文庫)

「そう――分かった。じゃあ言い方を変える」
イリスは俺に引き摺られながらも、ユグドラシルを睨みつける。
「モノノベの記憶を返さないなら――あたしはあなたを滅ぼす。どんなことをしても絶対に」

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ミッドガルではじめて開催されることになった文化祭.いろいろあってリーザと恋人のふりをすることになった悠の前に,グリーン・ドラゴンこと“緑”のユグドラシルが消滅したとの報せが入る.
学園祭あり,「ですわ」口調のお嬢様と恋人のふりありと,非常にベタなシチュエーションを束ねたシリーズ五巻.まあシリーズ全体がベタと言えばまったくその通りなんだけども,それ以外の情報がしっかり整理されているのでなんだかんだと感心しつつ楽しく読める.というか今回のシチュエーションが好きだからというのがある.能力と引き換えに記憶が消える,という状態の描き方も,シンプルだけどうまいと思う.広がりつつある風呂敷をどんなふうに広げて畳むのか.楽しみにしております.