森橋ビンゴ 『この恋と、その未来。 ―一年目 春―』 (ファミ通文庫)

やはり、こいつは男なんだな、と思った。体が女でも、心は。

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三人の姉の横暴に耐えかね,東京から広島の全寮制高校に進学した松永四郎.そのルームメイトとなったのは,同じく東京からやってきた織田未来.未来は女性の体と男性の心を持つ,性同一性障害の診断を受けていた.
作者の生まれ故郷である広島を舞台にした新シリーズ.“恋は心でするのだろうか? それとも、体でするのだろうか?”とは,すごいエッジを突いてきた.とはいえ,ストーリー運びはひたすら地味で,描き方は繊細ではあるけれど派手なことはほとんど起こらない.あとがきで“そもそもライトノベルとして間違ってる気がする”というのもそのとおりかもしれない.「性同一性障害」と作中ではっきり書いている以上,どう考えても悲恋の予感しかないのだけど,これからどういう話になるのだろう.続きがものすごく気になります.