日日日 『アンダカの怪造学I ネームレス・フェニックス』 (角川スニーカー文庫)

面白かった.最初から長期シリーズを意識しているのか,『狂乱家族日記』よりまとまっている印象を受けた.「怪造学」というガジェットを除けばけっこう他愛ない小説だと思うんだけど,リーダビリティが高く,キャラクターにいやみがなく魅力的で楽しい.
キャラの行動原理のいくつかにわかりにくい部分があったのが少し気になった.説明はあったけどページと説得力が足りてないか.
作者のデビュー4作のなかではいちばんラノベらしいラノベじゃないかしらん(『私の優しくない先輩』は読んでないが).今月の2冊で比べるなら,はっちゃけぶりでは『狂乱家族日記』,完成度ではこちらが上かな.甲乙はつけがたい(つけても仕方ない)と思うし,私はどっちも好きよ.ともにおすすめ.