日日日 『アンダカの怪造学VII Pandora OnlyOne』 (スニーカー文庫)

第三部スタートで「魔王、ついに出現!?」の巻.魔王の正体や虚界の由来といった伏せられていた事実が次々に明らかになり俄然盛り上がる.一度は自信を失い,然るのち立ち上がる伊依は少年漫画的戦闘少女然としてて格好良い.と思う反面,似たような挫折と前進は既刊でも何度も見せられてきたようなデジャヴも.三歩進んで二歩下がる,どころか毎回 2.9 歩くらい下がっているような印象を受けている自分.「着実な成長」というイメージがあまり感じられないのがいつも気になっている.
今回登場し,力の一片を見せ付けた《独唱第五番パンドラ・オンリーワン》を話にどう組み込んでいくのかが今後の鍵だよねぇ.今巻だけ読むと万能すぎて(まあ「最終兵器」だからな),浅薄な私からすると普通に戦えばあっさりと決着が着いちゃいそうな気がする.「円環少女」のようなじりじりする能力バトルになるのか,これまでのようなインフレバトルを極めるのか.伊依の成長の描き方も併せ,どっちを往くにしろ期待して見ていきたい.