- 作者: 七飯宏隆,池田陽介
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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起承転結は基本に忠実ながら,物語の緩急はかっきりしていて,リーダビリティの高さも相まってすごく読みやすい.キャラクターも,2巻までではごたごたしていた人間関係がきれいに整理された副作用か,分かりやすくなっただけでなく深みも生まれた印象.群像劇として充分読める.特に三兄弟(+1)が素晴らしい.互いへの憎しみと愛情と思惑が複雑に絡み合って,なんともいえないむずむずするもどかしさっつーのか,それが感じられて良かった.1巻を読んだときにはただのバカ3兄弟でしかなかったのに,この成長はどうしたことか.
強いて言うならどことなく新伝綺っぽいにおいのする(2巻までと雰囲気がかなり異なる)ところ,あと露骨な「次号に続く」が少し鼻につくかな,っつーくらい.話が収束する気配は見えているのであまり気にすることでもないかもだけど.
どっちにしろ,また楽しみなシリーズが増えた.善哉善哉.