午前三時五分 『りっぱな部員になる方法。 1)紙ヒコーキと四次元黒板』 (スーパーダッシュ文庫)

りっぱな部員になる方法。〈1〉紙ヒコーキと四次元黒板 (集英社スーパーダッシュ文庫)

りっぱな部員になる方法。〈1〉紙ヒコーキと四次元黒板 (集英社スーパーダッシュ文庫)

この世の謎を追求し,解き明かさんとするミステリー研究部のドタバタの日々.私がサブタイをつけるとしたら「玉露園部長の憂鬱」.
オカルトの存在を信じ(たがら)ず,基本的に尊大なくせに妙に気の小さい玉露園部長と,彼を取り巻き見つめる超然とした仲間たちとの関係が面白い.考えていることをストレートに表しすぎる玉露園部長は萌える.玉露園部長と,主に華さんのキャラクターが強すぎて主人公久瀬とヒロイン小春の影がえらく薄く,バランスが取れていないのはいいのんかな〜と思うけど,キャラクター小説としてはまずまず.
トーリー.オカルトを存在するものとして扱うのか,存在しないものとして扱うのか.テーマのはっきりしなかった前半と,明確にされた後半の繋がりがあまりスムースではなく,唐突に切り替わった印象があった.特に後半に入ってからは先が簡単に読めるうえ,前述の主人公の存在の薄さが災いしてインパクトがかなり弱くなっていたのが残念.
キャラクターのバランスの悪ささえ補正されればもっと良くなりそうな気はする.どう転ぶか分からないけど期待して見ていきたい,ということで.