成田良悟 『5656! Knights' Strange Night』 (電撃文庫)

──この子は……リーレイは……夢と現実の区別がついていない子だと思っていたけど……。
──区別をつけた上で、同じものとしか思えないのかもしれない。

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西暦 2021 年.スポンサー企業の撤退によりスラム化し,現代日本の九龍城となった越佐大橋.そこに住みついているのは本土にいられなくなったチンピラ,金を求めて集まったヤクザ,マフィア,殺し屋,殺人鬼その他.共通点は,全員もれなくどこかしら狂っていること.
佐渡島と新潟を結ぶうち捨てられた橋上都市,越佐大橋を舞台にした,「越佐大橋シリーズ」の外伝.硝煙と暴力に明け暮れる越佐大橋の日常のひとコマ.久しぶりに読んだけどもテンポの良さとカッチョ良さはいい意味で変わってなかった.狂ったクズどもが作った,日常のすぐそばにあるもうひとつの社会,っつう舞台と,戌井と狗木のベタだけどカッコいいライバル関係が中心にある話の作りで,作者の書くシリーズではこれがいちばん好きだったりする.まあ成田良悟はどれを読んでも一緒という意見は強く否定出来ないんだけどネ.