中里十 『君が僕を どうして空は青いの？』 （ガガガ文庫）

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫)

そのとき、娘が私に尋ねた。幼稚な意地悪をしかけるつもりの顔で。
「どうして空は青いの？」
そのとき、私の心は、二十年以上も昔、中学三年の冬へと飛んだ。

君が僕を~どうして空は青いの?~ (ガガガ文庫) | 中里 十, 山田 あこ |本 | 通販 | Amazon

二十二年前，冬．ニュータウンで暮らす中学三年生の「私」のクラスへやって来た転校生，絵藤真名は，商売繁盛の神様「恵まれさん」だった．
「どうして空は青いの？」からはじまる思い出の中の出来事．あるいは，絶対にお金に触ってはいけない「恵まれさん」の奇妙な生活と「私」の関係を，きれいで落ち着いたテキストで綴りながらの，言葉と知覚をめぐる問答．かなり百合風味．という認識でいいのかな．うまく言えないのだけど，あらすじに並ぶようなキャッチーなワードに良い意味で騙された．