木村航 『ななめカンナヅマ』 (ファミ通文庫)

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

「あたしは七芽、神無妻。生まれはクレノテラエノクニ。ゆえあって今はお届け巫女となり、時の小舟で旅から旅へ、結ぶ縁は人と神。あたしは七芽、神無妻!」

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身体に八百万の神を宿すお届け巫女,七芽.名簿の神クレクレと時の小舟に導かれ,たどり着いたのは,監視塔の十和依主水と,永遠に成長しない子どもたちの暮らす桃源境・百地島だった.ここで七芽は,「おとなになる自由」を求めるふたりの反逆児と出会う.
日本神話や古今の民話・お伽話にベースを置いた現代の国産み神話.作中ほとんどすべての仕掛けにしっかりした根っこがあって,たどっていける感覚が面白い.物語や言葉遊びといった,既知だけどかなり広範囲に渡る,とりとめないあれこれにつながっている.いかにも神話的な残酷さとにぎにぎしさも織り交ぜつ,しっかり読ませる創作神話であったと思う.ジュヴナイルとしても普通におすすめしてよいのではないでしょうか.良かったです.