彼はただ、我欲を満たすために大聖杯を強奪した訳ではない。あの聖杯を使い、もっと恐ろしいことを企んでいる。
Fate/Apocrypha[フェイト/アポクリファ] - TYPE-MOON BOOKS
“知れたこと。全人類の救済だよ、ジャンヌ・ダルク。”
少年の全く迷いのない眼差し。
世迷い言、であればまだ良かった。夢を見るように陶然とした状態で言葉を吐いてくれれば、まだ良かったのだ。
だが、あれは純粋にただ真実を吐露したとしか思えない。計画があり、それを練り上げていて、幾度も幾度も考えに考えて……辿り着いた末の言葉。
シロウ・コトミネは,第三次聖杯大戦において受肉した八人目のサーヴァントだった.大聖杯を強奪したシロウ神父に相対したルーラー,ジャンヌ・ダルク.ここから真の戦争が始まる.
二巻のラストで明らかにされたシロウ神父の真名.極東の聖人である彼の願いは“全人類の救済”だった.マスターとサーヴァントのそれぞれが望む「救済」や「正義」が形になるシリーズ三巻.フーダニット(シロウ・コトミネの正体)が謎のひとつだった二巻までから,いかにして全人類を救済するのか,というハウダニットに軸がシフトした感じ.話を動かす謎という点ではだいぶ弱くなった気がする.アクションや宝具の描写に関しても,なんだかんだと一巻から楽しく読んではいるのだけど,なにかもう一歩足りない印象が抜けないのよなー.シリーズ屈指の化物であるはずの