三門鉄狼 『東京アリスゴシック』 （講談社ラノベ文庫）

東京アリスゴシック (講談社ラノベ文庫)

……もし、このまま絞め殺されたら。
〈ゴシックデバイス〉が安全装置(セキュリティ)として働き、死ぬことはないだろう。
だが、奇獣による蹂躙は終わるわけではない。
死と再生とが、この場で延々と繰り返されることになる。
それこそが、この幻夢境界の呪い。

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新型ゲームのモニターに選ばれた高校生の藍条ハルキのもとに届いた指輪型の機械．それは，行方不明になった妹のアリスが最後に身につけていたのと同じゲーム機だった．妹の手がかりを手に入れるべく，その指輪〈ゴシックデバイス〉を身につけたハルキは，もうひとつの東京に転移した．
不思議の国のアリスをモチーフにした仮想空間の東京を舞台にしたオンラインゲーム小説．ゴシックに彩られた東京というモチーフは良いと思うのだけど，ストーリーがちょっと性急過ぎる．大事な情報がネットで検索できたり，物語の確信となる情報をあまり頭の良さそうでない登場人物がベラベラ喋ったり，情報開示のやり方がうまくないのは大いに不満．この作品に限った話ではないけど，VR世界を便利使いしすぎで謎も何もあったものではないのがなあ．