- 作者: 白樺みひゃえる
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 文庫
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「……先生は、自分が失敗した原因はなんだと思いますか」
「そうだな、いくつかあるが……」
思案顔をし、言った。
「一番は炉心が人間だったこと、かな」
世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫) | 白樺 みひゃえる |本 | 通販 | Amazon
魔導が衰退し,世界には科学技術が発達しつつあった.ヴィルトハイムファミリーの構成員である拷問官,ブルクハルトは,
第11回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作.あらすじを読んでSFかファンタジーかな,と思っていたら,エネルギー問題解決のため,拷問相手をいかに殺さず長期運用するか,プロジェクトで取り組むのが物語の柱だという.思わぬところから話が始まってびっくりしたのだけど,意欲的すぎるテーマにあっという間に引き込まれた.拷問にペインコントロールの概念を持ち込むのも驚いたのだけど,ひょっとして拷問業界では一般的なんだろうか.
思わせぶりな伏線(のようなもの)が回収されずに置かれたり,全体的にとっ散らかった印象も強い.特に後半は荒っぽいのだけど,意欲的なテーマをごちゃっとぶち込んだ作者の姿勢は買える.良い意味での新人らしい勢いがある.楽しゅうございました.