- 作者: 深見真
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: Kindle版
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人間の三大欲求のうち、ゾンビには食欲だけが残る。
ゾンビは眠らない。
性欲が残らないのはなぜだ?
実験のためにね、性欲を残したゾンビを作ろうとして……上手くいかなかった。
リビングデッドとはなんだ?
死者がよみがえるとはどういうことなんだ?
レベッカ・チェンバースが国際指名手配犯グレン・アリアスに拘束された.アリアスの目的は,ウイルスによるバイオテロを起こすこと.
脚本家自らによる,同名映画の小説化.起承転結のくっきりした,アクション小説のお手本のような小説だと思う.導入はジャレド・ダイアモンドとサルトルのエピグラフから始まり,レヴィ=ストロースやJ・G・バラードを例に引きながら,人類社会に潜む邪悪や構造的な欠陥について,そして人類の存在について詳らかにしてゆく.アクションシーンももちろんお手のもの.小道具から思想まで,描かれるひとつひとつがピシッと決まっており,スタイリッシュでかっこいい.「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?」と全編通して問われているかのような.バイオハザードに触れるのは初代ディレクターズ・カット以来でしたが,ちょう楽しかったです.