森橋ビンゴ 『pulp I』 （ファミ通文庫）

pulp I (ファミ通文庫)

ありがちなモラトリアム小説かと読んでいったら，謎の三人組が現れて，陳腐な悪役と陰謀が出てきて，なんか話が変な方向に混沌としてきてぶっつり終わる．読み終えた直後の感想を一言で書くと「なんだこれ」．まさにタイトルどおりの低俗でどろどろした三文小説．誉め言葉ね．
はじめからB級を志向して書いているためなのか，よく言えば伸び伸びと，斜に見るなら開き直ったような表現を随所で使っていて，これが言葉で表しにくいんだけどとても面白い．その辺のラノベには無い雰囲気がある．とはいえあまり好きなテイストではないんだけど，先がすごく気になる作品であることは確か．