谷川流 『ボクのセカイをまもるヒトex』 (電撃文庫)

ボクのセカイをまもるヒトex (電撃文庫)

ボクのセカイをまもるヒトex (電撃文庫)

トーリーとキャラクターへのアプローチの仕方は「ハルヒ」とほとんど変わらないのかもしれないなぁ.と今回読んで思った.「〜憂鬱」で一応のネタばらしと決着をつけた上でなおキャラクターと世界観を固め続ける「ハルヒ」に対して,こちらはキャラクターと世界観は着々と構築中,ただ終着点が見えないという違いはあるけれど(新人賞受賞作と連載前提という違いが大きいのか).
普通に読めば,色んなタイプの女の子を一渡り並べてみましたよ(男もいるよ)的なキャラクター小説でしかないんだけど.駄目なキャラ小説にままあるような置いてけぼり感も無し,淡々と盛り上がらないというわけでも無しと,技術に不安は無し.安定しているのは間違いない.語りに一貫してメタげでドライな視点を持たせつつ日常を描いているのが類似した作品群と一線を画している.これが小さいようで実はかなり大きい差になっているような気がしてならない.感情移入を意図して阻む,つまり読者をあくまで傍観者の位置に留め置くことが,なにか今後の伏線になってるんじゃないか? メタレベルの大仕掛けがあったりして.みたいな.もはや妄想レベルだけどさ.
ぬう,とんでもなく的外れな感想になってるかも.3巻まで読んでおいてアレだけど,現時点ではまだ評価下せないなぁ.
ところで『学校を出よう!』の続きマダー?