深見真 『ブロークン・フィスト 戦う少女と残酷な少年』 （富士見ミステリー文庫）

戦う少女と残酷な少年―ブロークン・フィスト (富士見ミステリー文庫)

深見真のデビュー作．映画のタイトルを絡めた薀蓄やオトコノコ好きのする固有名詞など，デビュー作からこれまで基本姿勢はまったく変わってない．本当にこういうのが好きなんだなぁ．泥臭さと暑苦しさここに極まれりで飲み込むのに流石に難儀したけど．
一応ミステリの体裁をとってるんだけど，まあ「絶対に普通の人間には真似できない、小細工抜きの、この世にただ一つの密室殺人」のトリックがこれじゃあミステリ読みは怒るわな．ミステリというより格闘技小説（？）のノリが全編を貫いており，「ミステリ」を冠して出版したのがそもそもの間違いのような気がする．Amazon のレビューで散々腐されていたのもさもありなん．